褥瘡(床ずれ)について

褥瘡(床ずれ)とは

褥瘡(じょくそう)とは、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまい、組織が損傷されることです。一般的に「床ずれ」ともいわれています。

ベッドのマットや布団、車いすなどと接触する部分の皮膚が長い時間続けて圧迫されることで、皮膚や皮下組織、筋肉などが死んでしまった状態です。

損傷の程度は、圧迫されていた時間と、圧迫される外からの力に反応して発生した応力によって決まります。この応力によって、組織が引っ張られたりずれたりして組織のダメージが生じます。

時間と圧迫の力で褥瘡の重症度が決定します。

健康な方に褥瘡が起こらないのは、この二つの因子が生体に影響を及ぼして組織が損傷される前に痛みやしびれを感じるため、寝返りや座り直すなどして、体位を変えるからです。したがって、褥瘡を発症しやすい方は、

  • 長期間寝たきりを余儀なくされる方
  • 糖尿病などの神経障害があって、痛みやしびれを感じない方
  • 脳血管障害や脊髄疾患等で運動障害のある方
  • 栄養状態が悪い方
  • 高齢で皮膚が薄く弱くなっている方

が挙げられます。褥瘡はたった数時間で発症してしまうので、このような方は2、3時間ごとの体位交換が褥瘡の予防に非常に大切です。

褥瘡(床ずれ)のできやすい部位

褥瘡ができる部位(好発部位)はほぼ決まっており、2つの相反する方向の力が皮膚と軟部組織を圧迫する部位です。

具体的には、生体内の大きな骨と床から挟まれる部位であり、仙骨部(臀部の正中部)、坐骨部(座った際に臀部の骨が突出する部位)、大転子部(大腿部の骨が突出する部位)、踵部(足底)、腸骨稜部(骨盤前部の骨が突出する部位)です。

褥瘡(床ずれ)の症状

褥瘡が発症すると約1週間から3週間までの間は急激に創部が変化するので、急性期褥瘡と呼びます。

この時期は皮膚の赤み(発赤)が持続したり、腫れたり(浮腫)、水ぶくれ(水疱)ができたり、表皮が剥がれたり(びらん)します。

褥瘡の重症度は組織の損傷が皮膚・軟部組織のどのレベルまで及ぶかに比例しますが、重症になると浸出液が多くなり、細菌によって化膿(感染)し、組織が白くなったり黒くなったり(壊死)します。褥瘡の重症度分類は、日本褥瘡学会で定めたDESIGN-Rという分類があります。

急性期を過ぎた褥瘡を慢性期褥瘡と呼びます。この時期になると病変部の深さが正確に評価できるようになります。

褥瘡と床ずれの違い

「褥瘡」と「床ずれ」は同義語です。「褥瘡」はいわゆる漢語であり、「床ずれ」は和語です。介護士の養成テキスト等では、「褥瘡」と「床ずれ」は言い換え可能な語として捉えられています。

褥瘡と床ずれの原因

褥瘡(床ずれ)は、皮膚の同じ部分への圧迫が持続することで起こります。

ベッドのマットや布団、車いすなどにより外から圧迫を受けると、体の中では皮膚や皮下脂肪、筋肉などを押し潰そうとする力、左右に引っ張ろうとする力などがかかります。

これらが複雑に絡みあって血流が悪くなり、皮膚や皮下組織、筋肉などに酸素や栄養が行き渡らなくなります。

自分で体を動かすことができる人は、無意識のうちに体を動かしたり、寝返りをうったりして、体の同じ部分に長時間の圧迫がかからないようにしています。

しかし、自分で体を動かすことができない人は、皮膚の同じ部分に長時間の圧迫がかかることになり、それが褥瘡(床ずれ)発生に繋がります。

また、褥瘡(床ずれ)を発生させやすくしたり、治りにくくしたりする原因には、皮膚による原因、全身的な原因、社会的な原因が挙げられます。

皮膚における原因

皮膚は弱くなると外からの刺激でダメージを受けやすいです。

摩擦やずれがおき、皮膚が弱くなっている状態

②皮膚が乾燥して弱くなっている状態(年をとると肌が乾燥しやすくなる)

③汗や尿・便などで皮膚が汚れたり、ふやけたりしている状態

①のずれとは、ベッドのマットや布団で上体を起こすとき、体を動かすとき、体を拭くときなどに、皮膚の表面と皮膚の内部が互い違いにずれることです。

皮膚にずれが起こると、皮膚の中では筋肉から皮膚に向かう血管が引き伸ばされて細くなるため、皮膚への血行が悪くなり、褥瘡(床ずれ)になりやすくなります。

全身的な原因

①食事を十分に摂れず、栄養状態が悪い状態

②痩せている状態(皮下脂肪が減少し、骨が突出している状態)

③骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、糖尿病、心不全、認知症などの持病が原因で、体を動かしにくい、痛みを感じにくい、血流や栄養状態が悪い状態

④抗がん剤、ステロイド剤などの薬を使用している場合(皮膚が感染を起こしやすくなっている状態)。

⑤むくみがある状態

褥瘡(床ずれ)の治し方

褥瘡(床ずれ)の治療は、床ずれにかかる圧迫を和らげ、傷を適切に洗浄して、ドレッシングをあて、感染をコントロールし、十分な栄養を与えます。

大きな創傷をふさぐために、手術が必要になることもあります。

皮膚に対する圧迫を和らげるには、体位の注意深い変更、保護具、体圧分散用具が必要になります。

床ずれのステージが最早期であれば、圧迫を取り除くことで通常は自然に治ります。

そして、傷を洗浄して、皮膚を保護し、自分の治癒力で皮膚の再生を促す目的で、ドレッシング材(傷を覆う素材のこと)を貼ります。

ドレッシング材は皮膚の観察ができるように透明なもの(テガダーム・オプサイトなど)を選びます。

水疱が破けてしまった場合は、細菌などの二次感染を防ぐために、抗菌作用のある外用剤を使います。

ほとんどの感染は皮膚に直接塗る抗菌薬により治療できます。また患者に広範な感染症、例えば血流、床ずれより外側の皮膚、骨などへの感染症が生じている場合、内服薬または静脈内投与の抗菌薬を投与することもあります。

床ずれのある人には、栄養不足がよくみられます。

床ずれの治りを早め、新たな床ずれができるのを予防するには、十分な栄養を摂取することが大切です。

タンパク質を豊富に含むバランスの取れた食事が推奨されます。低栄養の状態にある人には、栄養の専門家による評価がしばしば有益となります。

必要量の栄養を摂取するのに十分な食事を取ることができない人には、 経管栄養(チューブを介して栄養を与える方法)や 静脈栄養(静脈から栄養を与える方法)が必要になる場合があります。

また、患者に何らかのビタミン不足が判明した場合は、そのビタミンの補充が推奨されます。

床ずれが深かったり、大きかったりする場合は治療が困難です。

ときに皮膚移植や筋皮弁で塞ぐことが必要になります。

これらの処置では、十分な血流が保たれた健康な厚い組織を外科的に移動させて、それで患部を覆います。

皮膚移植は大きく浅い床ずれに有用です。

大きな骨の部位の上に生じた床ずれ(通常は脊椎の根元、股関節、大腿骨の上端)を塞ぐ場合は筋皮弁が使われます。

しかし、手術は常にうまくいくとは限らず、特に栄養不足や他の病気がみられ、加齢に伴う体力の低下がある高齢者では、成功させるのが難しくなります。

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